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タイトル: 闘病記文庫設置3年を迎えて
著者: 鈴木, 孝明
キーワード: 闘病記研究会シンポジウム
医学教育に生かす患者の語り
闘病記文庫
EBM
Evidence-based Medicine
根拠に基づいた医療
NBM
Narrative-based Medicine
物語と対話による医療
発行日: 2011年2月5日
出版者: 奈良県立医科大学附属図書館
引用: 闘病記研究会シンポジウム第3部「医学教育に生かす患者の語り」発表資料
抄録: 奈良県立医科大学附属図書館(以下、当館)では、平成20年3月10日に「闘病記文庫」を開設した。 その発端は、医学科3年生の熱い要望によるものであった。主旨はこうである。 「患者中心の医療」が言われるようになって、医師を目指す学生も患者の気持ちを知ることの重要性が増してきた。ある疾病に罹った患者の気持ちを綴った闘病記は身近な教材であるが、個人で収集できる冊数は限られているので、図書館で体系的に収集し、誰でも利用できるようにしてほしい。 当館では10年ほど前からEBM(Evidence-based Medicine)に注目し、研修に参加したり、資料を収集したりしてきた。既知のエビデンス(科学的根拠)収集はわれわれ医学図書館員の得意分野だからである。一方では、NBM(Narrative-based Medicine)の考え方が提唱され、EBMとNBMを統合することにより患者中心の医療は実現できるとされた。そこでNBMのもっとも身近な資料である闘病記に注目していたことがベースにあり、この学生の熱意と、その時いただいた「闘病記文庫棚作成ガイドライン」の具体的な指針が揃ったことで、われわれのモチベーションが一気に加速した。加えて、当時の図書館長にも闘病記文庫設置の意義を認めていただいたため、学生の要望からわずか5ヶ月足らずで闘病記文庫が誕生することとなった。 年度途中から動き出したため、当然予算要求はしておらず、既存の図書購入予算と消耗品予算とでまかなう必要があった。当館スタッフの創意工夫、献身的努力ならびに健康情報棚プロジェクト、古書店パラメディカ等関係各位の力強いサポートにより、短期間、低コストで闘病記の収集、装備、配架を実現し、231冊からスタートを切ることができた。 今回は、闘病記文庫開設に至る準備と開設後の状況、問題点、今後の展望について報告し、設置を検討されている機関の一助となれば幸いである。
URI: http://hdl.handle.net/10564/1301
出現コレクション:052 研究会・大会資料

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