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タイトル: 悪性リンパ腫の病理診断学
その他のタイトル: PATHOLOGIC DIAGNOSTICS OF MALIGNANT LYMPHOMA
著者: 中峯, 寛和
キーワード: Malignant lymphoma
pathologic diagnostics
pathology central review
epistemology
consultation
発行日: 2008年10月31日
出版者: 奈良医学会
奈良県立医科大学
引用: Journal of Nara Medical Association Vol.59 No.5 p.135-148
抄録: 悪性リンパ腫は診断学的にも複雑なそして興味深い腫瘍である.リンパ腫診断学 の歴史を振り返ると,形態学は診断の中心からスクリーニングへとシフトしているように見え るが,HE標本は膨大なアナログデータを備えており依然として重要である.リンパ腫診断学発 展の背景に多数のノーベル賞クラスの基礎的研究があるのは,注目すべきである.リンパ腫分 類の歴史が複雑であるのには,病理医のもつ哲学,分類思想,国家主義,などの対立も関与し ている.他系統の腫瘍に比べて,リンパ腫診断学には際立った特徴がある.病理診断一致率に は,病理医個人の再現性と病理医間の一致率とがあるが,前者はそれほど問題にされない傾向 がある.病理診断に基づいて収集した症例群を検討する際には,病理中央診断が必須である. 病理診断が主観的な解釈体系であるのは,「見る」という行為が観察者個々の中に蓄えられた知 識を動員してなされるからである.病理診断コンサルテーションではリンパ腫が対象とされる ことが多い.リンパ腫を含む病理診断の精度向上には,臓器系統別病理専門医制度の設立が必 須であり,そのためには病理医絶対数の増加,そのためには病理医の社会的認知度向上が求め られる.
URI: http://hdl.handle.net/10564/780
ISSN: 13450069
出現コレクション:Vol.59 No.5

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